はじめに
ケアマネジャーの皆様、日々の業務お疲れ様です。
今回は、ヘルパーがマンションの下まで利用者を連れてきた際、デイサービスの減算対象となるかについて解説いたします。
この問題は、サービス提供の適正な報酬算定に直結する重要なポイントです。
デイサービスの送迎減算とは
デイサービス(通所介護)における送迎減算とは、事業所が利用者の送迎を行わない場合に適用される減算制度です。
具体的には、片道につき47単位、往復で94単位が減算されます。
これは、基本報酬に送迎サービスが含まれているため、送迎を実施しない場合に報酬が調整される仕組みです。
ヘルパーがマンション下まで同行した場合の扱い
訪問介護のヘルパーが利用者をマンションの下まで連れて行き、デイサービスの送迎車に引き継ぐケースでは、デイサービス側が自宅玄関からの送迎を行っていないため、送迎減算の対象となる可能性があります。
ただし、同一建物減算の対象となる場合は、送迎減算の対象外となります。
厚生労働省のQ&Aによれば、利用者の居住実態がある場所で、事業所のサービス提供範囲内で、利用者と家族の同意が得られていれば、事業所と当該場所間の送迎について送迎減算を適用となりません。
ですので、マンション下での引き継ぎが、送迎減算の対象とはならない可能性はあります。
ただし、保険者によれば減算の可能性もあります。
また別のケースで言うと、マンションに居住する利用者が、同じマンションの1階にあるデイサービスを利用する場合、送迎は部屋まで行いますが、同一建物減算は適応となることにもご注意ください。

実務上の対応策
ケアマネジャーとしては、以下の点に留意することが重要です。
- サービス提供責任者との連携
訪問介護とデイサービスのサービス提供責任者と密に連絡を取り、送迎方法や引き継ぎ場所を明確にしておくことが必要です。 - ケアプランへの明記
利用者の状況に応じて、送迎に関する詳細をケアプランに記載し、関係者間で共有することで、減算の適用有無を明確にしましょう。 - 自治体の指導に従う
送迎や減算に関する具体的な取り扱いは、自治体によって異なる場合があります。
各保険者にしっかり確認を取るようにしましょう。
まとめ
ヘルパーがマンションの下まで利用者を連れて行く場合、デイサービスの送迎減算が適用される可能性があります。
しかし、同一建物減算の適用条件を満たす場合は、送迎減算の対象外となります。
ケアマネジャーとしては、関係者との連携やケアプランの適切な作成、自治体の指導に従うことで適正なサービス提供と報酬算定を実現しましょう。
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