夜中や明け方、突然足がつって激しい痛みに襲われたことはありませんか?
これは「こむら返り」と呼ばれる症状で、高齢者に特に多く見られます。
介護をされているご家族の方にとって、大切な人がこの痛みを繰り返し経験するのはとても心配なことですよね。
本記事では、こむら返りの原因と予防策、さらには発症時の適切な対処法を詳しく解説します。
この記事を読むことで、以下の3つのポイントが得られます。
- こむら返りがなぜ起こるのか
- 日常生活でできる予防法
- こむら返りが起きたときの正しい対処法
記事を最後まで読んでいただければ、こむら返りを防ぎ、介護される方が快適に過ごせる環境を作ることができます。
ぜひ、日々のケアに役立ててください!
こむら返りとは?高齢者に多い理由
こむら返りの基本的な説明
こむら返りとは、筋肉が突然強く収縮し、痛みを伴う現象を指します。
特にふくらはぎの筋肉である腓腹筋や平目筋に起こりやすく、夜間や睡眠中に発生することが多いです。
この症状は、一般的に「足がつる」とも表現され、健康な人でも経験することがあります。
高齢者がこむら返りを起こしやすい要因
高齢者は若い人に比べて、こむら返りを起こしやすい傾向があります。
その主な理由は以下の通りです。
- 筋肉量の減少
加齢に伴い、筋肉量が減少します。
これにより、筋肉の疲労が蓄積しやすくなり、こむら返りのリスクが高まります。
- 血行不良
高齢になると、血液の循環が悪くなる傾向があります。
特に夜間は体温が下がり、筋肉が冷えることで血行がさらに低下し、こむら返りを引き起こしやすくなります。
- ミネラルバランスの乱れ
高齢者は食事の偏りや食欲の低下により、カルシウムやマグネシウム、ビタミンB1などが不足しがちです。
これらのミネラルは筋肉の収縮と弛緩に重要な役割を果たしており、不足するとこむら返りの原因となります。
日常生活の中で適度な運動やバランスの良い食事、十分な水分補給、予防法としてストレッチや足の冷えを防ぐことなどを心がけることが、こむら返りの予防につながります。
こむら返りの主な原因
筋肉疲労と運動不足
筋肉が疲労すると、一時的に正常な収縮や弛緩が難しくなり、けいれんを起こしやすくなります。
また、運動不足により筋力が低下すると、筋肉がスムーズに動かなくなり、こむら返りが発生しやすくなります。
高齢者が1日に必要な運動量は、軽いウォーキングであれば30分以上、中強度の運動であれば15分程度が推奨されています。
運動不足が続くと、筋肉の柔軟性が失われ、少しの負荷でも筋肉がけいれんしやすくなります。
例えば、長時間座ったまま過ごすことが多い高齢者は、ふくらはぎの筋肉が硬くなりやすく、夜間や寝起きに突然こむら返りが起きることがあります。
また、デスクワークが中心の人や車移動が多い人も、運動不足による筋肉の衰えからこむら返りを経験しやすい傾向にあります。
運動不足による筋力低下を防ぐには、日常的に軽いストレッチやウォーキングを取り入れることが大切です。
特に、ふくらはぎの筋肉をほぐすストレッチを習慣にすると、こむら返りの予防に役立ちます。

脱水とミネラル不足
体内の水分やミネラルが不足すると、筋肉の正常な働きが妨げられ、こむら返りが起こりやすくなります。
特に高齢者は喉の渇きを感じにくく、水分摂取量が少なくなりがちです。
ナトリウムやカリウム、マグネシウム、ビタミンB1といったミネラルが不足すると、筋肉が正常に動かなくなり、けいれんが起こりやすくなります。
また、高齢者の中には「トイレの回数を減らしたい」との理由で水分摂取を控える人もいますが、これが脱水を引き起こし、こむら返りの原因となることがあります。
予防のためには、こまめに水分を補給し、電解質を含むスポーツドリンクや経口補水液を適度に活用するのが効果的です。
高齢者の水分補給については、食事以外で1日に1,000~1,500mlの水分補給が推奨されています。
また、バナナやほうれん草、ナッツ類などのミネラルを多く含む食品を意識して摂ることも大切です。
血行不良と冷え
血行が悪くなると、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されず、けいれんを起こしやすくなります。
特に冷えは血管を収縮させ、血流を滞らせるため、こむら返りの大きな原因になります。
寒い季節になると特に夜間の血行不良が進み、こむら返りが増加する傾向にあります。
例えば、冬場に足先が冷えた状態で寝ていると、夜中に突然こむら返りを起こすことがあります。
また、長時間エアコンの冷風を直接浴びると、足の筋肉が硬直しやすくなり、こむら返りのリスクが高まります。
対策としては、入浴で体をしっかり温める、靴下やレッグウォーマーを活用する、就寝前に軽いマッサージをするなどが効果的です。
特に、湯船にゆっくり浸かることで血流が改善され、こむら返りの予防につながります。
また下肢静脈瘤もこむら返りの原因の一つとして挙げられます。
また、加齢による筋肉量の減少も大きな要因であり、特に下肢の筋肉量が減ると血流が悪化し、代謝も悪くなるため、こむら返りが起こりやすくなります。
こむら返りの予防方法
日常生活での工夫
バランスの良い食事と水分補給
こむら返りを防ぐには、栄養バランスの取れた食事と十分な水分補給が欠かせません。
特に、筋肉の働きに必要なミネラル(カリウム、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB1)を意識的に摂ることが大切です。
カリウムを多く含む食品としては、バナナ、ほうれん草、じゃがいもなどが挙げられます。
また、高齢者は喉の渇きを感じにくく、水分摂取が不足しがちです。
こむら返りが起こりやすい夏場は、水分だけでなく塩分やミネラルを含む飲み物(スポーツドリンクや経口補水液)を適宜摂取することが効果的です。
例えば、夏の暑い日に長時間外出し、水分補給を怠ったことで、夜中にこむら返りを経験する人が多くいます。
また、食事で野菜不足が続くと、ミネラル不足になり、筋肉のけいれんが起こりやすくなります。
対策としては、毎日の食事に野菜や果物を積極的に取り入れること、1日あたり1.5リットル程度のこまめな水分補給を習慣化することが重要です。
適度な運動とストレッチ
筋肉の柔軟性を保ち、こむら返りを予防するには、適度な運動とストレッチが必要です。
特に、高齢者は筋力が低下しやすいため、日常的に軽い運動を取り入れることが大切です。
高齢者向けの運動として以下のようなものがあります。
- ウォーキング:1日30分以上
- 軽い筋トレ:スクワットやかかと上げ運動
- ストレッチ:ふくらはぎや太ももの筋肉を伸ばすストレッチ
毎日数分でもストレッチを行うことで、血流が改善され、こむら返りを予防できます。
日常の工夫としては、朝や入浴後にストレッチを行う、歩く習慣をつける、階段を使う機会を増やすなど、無理なくできる運動を取り入れることが効果的です。

身体を冷やさない工夫
冷えは血行不良を引き起こし、こむら返りの原因になります。
特に冬場やエアコンの効いた室内では、足元が冷えやすいため、注意が必要です。
例えば、冬場に薄着のまま過ごしていると、ふくらはぎの筋肉が冷えて硬くなり、こむら返りが起きやすくなります。
また、エアコンの風が直接足に当たると、血流が悪くなり、筋肉がこわばる原因になります。
予防策としては、湯たんぽや電気毛布を活用する、厚手の靴下を履く、冷たい床に直接座らないなどの工夫が効果的です。
就寝時の対策
就寝前のリラックス方法
寝る前にリラックスすることで、筋肉の緊張をほぐし、こむら返りを防ぐことができます。
特に、ストレスや疲れが溜まっていると、交感神経が活発になり、筋肉が硬直しやすくなります。
予防策としては、就寝1時間前にぬるめのお風呂に入る、寝る前に足を軽くマッサージする、リラックスできる音楽を聴くなど、リラックス習慣を取り入れることが重要です。
こむら返りを防ぐためのポイントを6つ紹介しました。
こむら返りの予防法
- バランスの良い食事を摂る
- 水分とミネラルを十分に補給する
- 適度な運動とストレッチを行う
- 身体を冷やさない工夫をする
- 快適な寝具で血行を促す
- 就寝前にリラックスする習慣をつける
こむら返りは、日々のちょっとした工夫で予防できます。
生活習慣を見直し、痛みのない快適な毎日を過ごしましょう。
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