こんにちは。
今日は「気づきを生む質問の力」についてお話ししてみたいと思います。

誰かと話していて、「うまく話を引き出せないなぁ」と感じたこと、ありませんか?
ついアドバイスしたくなったり、「こうしたらいいですよ」と言ってしまったり。

でも実は、相手の中に“気づき”が生まれるときって、
こちらが何を言ったかではなく、「どんな質問をしたか」が大きな鍵になるんです。

☕まずは「聴く」ことから始めよう

質問の前に、いちばん大切なのは“聴く”ことです。
相手の言葉を途中でさえぎらず、うなずきながら受け止める。

「なるほど」
「そう感じたんですね」

そんな一言を返すだけでも、相手の心は少しずつほぐれていきます。

その上で、こんな質問をしてみるとどうでしょう?

「今、その話をしていて、一番気になることって何ですか?」
「そのとき、どんな気持ちでしたか?」

こう聞かれると、人は自分でも気づいていなかった思いを
言葉にしやすくなるんです。
頭の中のモヤモヤが整理されていく感じ

大事なのは、“正解を聞き出す質問”ではなく、
“考えるきっかけになる質問”なんですよね。

🌿視点を変える質問をしてみよう

悩んでいるときほど、視野が狭くなってしまうものです。
そんなときは、少し違う角度から問いかけてみましょう。

「もし制限がなかったら、どうしたいと思いますか?」
「友達だったら、どんな声をかけてくれると思いますか?」

こう聞くだけで、相手の中に「そうか、そういう考えもあるんだ」と
新しい気づきが生まれます。

質問って、相手の思考を広げる“スイッチ”のようなもの。
ケアの現場でも、「どうするべき?」より「どうありたい?」と聞くと、
表情がパッと明るくなることがあります。

🌸選択肢を広げる質問で背中を押す

困っている人ほど、「もうどうにもならない」と思い込んでしまうことがあります。
そんなときこそ、選択肢を広げる質問が役立ちます。

「他にできそうな方法って、何かありますか?」
「もし助けを借りられるとしたら、誰に頼めそうですか?」

この質問で、「あ、そういえばあの人がいた」とか、
「別のやり方もあるかも」と気づくことがあります。

答えを渡すよりも、“本人の中から見つけてもらう”ことが大切。
そうやって生まれた気づきは、自然と行動につながっていくんです。

🌼行動を促す最後のひと言

気づきを得たあとは、もう一歩だけ前に進めるように背中を押す。
そんな質問をしてみましょう。

「じゃあ、まず何からやってみますか?」
「それを始めるとしたら、いつごろがよさそうですか?」

具体的な行動をイメージすることで、
気づきが“現実の一歩”に変わっていきます。

💬質問するときに気をつけたいこと

質問にも、ちょっとした注意点があります。

まず、「なぜ?」という言葉は少し慎重に。
「なぜそうしたの?」と聞かれると、責められたように感じる人もいます。

そんなときは、

「どんな思いでそうされたんですか?」
「どう感じましたか?」

と、柔らかく聞くのがおすすめです。

それからもうひとつ大事なのは“間”。
質問したあとは、すぐに言葉を重ねずに静かに待つこと。
沈黙の中で、相手の中にゆっくりと言葉が育っていくんです。

🪞実際の場面から

たとえば、終末期の利用者さんの支援で、
本人は「家で過ごしたい」、でも家族は「しんどいけど頑張りたい」と話している。

そんなとき、私は後輩にこう聞くんです。

「本人と家族、それぞれが大切にしたいことって何だと思う?」
「その違いをどう受け止めて支援につなげられそう?」

すると後輩は、
「本人の希望と家族の気持ち、両方を整理して考えないといけないんだな」
と気づくんです。

その瞬間、支援の“軸”が見えてくるんですよね。

🌷まとめ

今日お話ししたポイントをもう一度整理してみましょう。

  • 相手の話を丁寧に聴く
  • 視点を変える質問をする
  • 選択肢を広げる質問をする
  • 行動につなげる質問で締めくくる

そして、「なぜ?」より「どう?」「何が?」を意識して、
沈黙を恐れずに待つこと。

質問は、相手を変える魔法ではなく、
相手の中に眠っている“気づき”を引き出すスイッチなんです。

🍀おわりに

後輩指導でも、家族との会話でも、
この「気づきを生む質問力」はきっと役に立ちます。

小さな一言で、誰かの考えが前に進む。
そんな会話を積み重ねていけたら、素敵ですよね。

読んでくださって、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう🌿

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